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特殊な児童虐待

最近話題となった虐待の特殊型

親や養育者による虐待を証明しづらい症候群が最近話題となっています。乳児揺さぶり/揺さぶられっ子症候群、代理人によるミュンヒハウゼン症候群の二つです。いづれも特殊な状況で発生し、虐待との関連や立証が困難のため医学界で話題となっています。この外に乳児突然死症候群(SIDS)の一部が虐待によることも報告されています。

C-1 揺さぶり/揺さぶられっ子症候群(Shaken baby syndrome)

名 称 正式には乳児むち打ち揺さぶり症候群といいます。
whiplash shaken infant syndrome
発生状況 泣いたり、むずかったりして言うことをきかない赤ちゃんに腹を立てて、親や養育者が赤ちゃんを強く揺さぶることがあります。この種の虐待で死亡や、重傷の脳障害を生じることがあります。日常的な遊びや揺りかごからの転落などでは起こらないとされています。
医学的病変 硬膜下出血、網膜出血、長管骨膜損傷、知的障害、視覚障害など。
診断は容易ではなく、乳児の頭部損傷に詳しい医師が綿密に診察することで可能。
危険年齢 生後6か月頃の乳児。この月齢の乳児はむち打ちの様な急激な前後の動きに非常に弱い。
その他 多くの専門医は、この診断を受けた子どもの大部分は何らかの形で虐待の被害者と考えています。
[参考資料]
クラーク 他著(門脇他訳):子ども虐待問題百科事典、明石書店、2002発行

C-2 代理人によるミュンヒハウゼン症候群(Munchausen syndrome by proxy)

名称の由来 18世紀のドイツ軍人フォン・ミュンヒハウゼン男爵はおおぼら吹きで有名で、大げさに虚偽の症状などを述べたてる病的虚言症が、男爵の名を取りミュンヒハウゼン症候群と名付けられた。症状が親自身に出なくて、親の虚偽によって子どもにのみ生じる状態で、子どもを代理proxyとしていることから本症が命名された。
診断基準 1.他人を病気にさせている若しくは病気をでっちあげている。
2.加害者の動機が周りの関心を引く。
3.経済利益を目的としていない。
4.他の精神疾患では説明できない[DSMIV]。
 加害者は愛情にあふれた優しい母親に見えることが多く、診断は難しい。
症候の留意点 1.訴えられた患児の状態は、説明しがたく長期的で、極めて異常。
2.母親が訴える症状は不適当で、つじつまが合わず、母親がいるときにのみ起こる。
3.治療の効果がなく、長続きしない。
4.食物やアレルギーがあると訴える。
5.母親は子どもについて心配していない。
 母親は子どもと絶えず一緒で幸せそうにくつろぐが、医療スタッフと親しくならない。
その他 本症が疑われる時は、医療、看護、心理、ケースワーカーなどチームで虐待の発見と子どもの安全を考える。虐待が発覚しそうになると、退院/転院する例も多く、発見には時間がかかる。
[参考資料]
クラーク 他著(門脇他訳):子ども虐待問題百科事典、明石書店、2002発行
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