当センターにおける専門研修の基本理念は、子どもや家族への支援における高度な実践力を有する指導者を育成し、全国的なネットワークの形成を推進するとともに、支援技術の向上に資する新たな知見や技法の普及を通じて、我が国における児童虐待及び思春期問題への支援の質の向上を図ることです。

当センターの専門研修

当センターは、国や各施設協議会が定めた指針やガイドライン等を踏まえつつ、上記の基本理念を実現するために指導者層を対象とした専門研修を実施しています。国内外の最新の動向、実践に裏付けられた理論と手法、実績のある各地の取り組みなどを学ぶ場を提供するとともに、全国で実施される研修のいっそうの充実を目指して、研修講師の派遣、教材の開発とオンラインでの提供、研修企画への助言など、研修を実施する機関への後方支援にも取り組んでいます。
専門職としての成長において、個々の職員が資質や技能を高めるべく研鑽を積むことに加えて、所属機関が職員の育成に主体的に取り組むことも重要です。また、都道府県や政令市、そして国についても、人材を育成するために研修の実施に責任を負うことが法律で定められています。当センターは全国レベルの研修機関として位置づけられており、主に職場や地域を牽引する指導者層の職員を対象とした専門研修を実施する役割を担っています。

当センターの専門研修

専門研修の理念

社会全体の家族観や親子関係を巡る価値観が大きく変化し、各援助機関に求められる役割も目まぐるしく推移していますが、当センターでは研修の企画及び運営において、以下の理念と原則を基盤に置いています。

理念 『現場に学び現場に返す』
原則
  1. ① 現場のニーズ、施策の動向、海外の情勢に基づく時宜を得た企画
  2. ② 現場の苦労、努力、工夫に根差した、気づきと実践につながる研修
  3. ③ 職種や職域をまたぐ支援者同士のつながりとエンパワー
  4. ④ 支援者としての姿勢を再確認できる安心で温かな学びの場の提供
  5. ⑤ 受講者・講師・センターが対等に学び合う場の構築

社会情勢の変化に合わせて、当センターではICT(情報通信技術)の導入に積極的に取り組みますが、引き続きこれらの理念と原則を大切にしていきます。

研修の基本方略

基本理念を実現するために、研修の企画及び運営において以下の項目を基本的な方略としています。

  1. ① 各種の課題による受講者の現状・ニーズの把握
  2. ② 実務者や有識者との情報交換による最新の動向の把握
  3. ③ 演習や事例検討を重視した能動的学習
  4. ④ 振り返りやグループワークによる省察学習
  5. ⑤ グループ討議や自主交流によるネットワーク構築
  6. ⑥ 研究事業、専門相談、教材提供による事後研鑽への支援
  7. ⑦ 自治体や所属機関が実施する人材育成事業への支援