文献・研究等の収集と分析

2011年度研究

  • 研修資料 平成23年度 児童の虐待死に関する文献研究

    研究代表者名 川﨑 二三彦(子どもの虹情報研修センター)

  • 児童虐待に関する文献紹介(2008-2009年)

    研究代表者名 子どもの虹情報研修センター 研究部

  • 児童虐待に関する文献研究 児童虐待重大事例の分析(第2報)

    研究代表者名 増沢 高(子どもの虹情報研修センター)

     本研究は、「子ども虐待」に関する文献を概観、分析することを目的とし、平成15年度から継続して行っている。
     今年度は昨年度に引き続き、「児童虐待重大事例」をテーマとした。今回は、2007年以降の(一部2006年度の事例を含む)13事例を取り上げた。
     この第2報には、第1報で扱った2006年以前の事例には見られなかったものとして、「代理によるミュンヒハウゼン症候群」が問題になった事例、「乳幼児ゆさぶり症候群」(Shaken Baby Syndrome)が疑われた事例、医療ネグレクトが問題になった事例、「親子心中」事例、虐待によって子どもが追い詰められ重大事件を起こした事例などがある。
     本研究では、こうした児童虐待における新たな事例についての検討に加え、「自治体における検証について」、「援助機関及び機関連携に関する問題」、「児童虐待施策への影響」、「重罰化と裁判員制度」について総括を行った。
     今回分析を行ったのは以下の13事例である。①奈良県田原本町の事例(2006年)、②北海道苫小牧市の事例(2007年発覚)、③高知県南国市の事例(2008年)、④埼玉県蕨市の事例(2008年)、⑤奈良県奈良市の事例(2008年)、⑥福岡市西区の事例(2008年)、⑦岐阜県関市の事例(2008年)、⑧東京都練馬区の事例(2008年)、⑨大阪市西淀川区の事例(2009年)、⑩静岡市葵区の事例(2009年)、⑪福岡市東区の事例(2009年)、⑫東京都江戸川区の事例(2010年)、⑬奈良県桜井市の事例(2010年)。

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  • 虐待の援助法に関する文献研究(第6報)児童虐待に関する法制度および法学文献資料の研究 第5期(2007年7月から2010年3月まで)

    研究代表者名 吉田 恒雄(駿河台大学法学部)

     本研究は、児童虐待防止法大規模改正(第2回)後の2007年7月から2010年3月までを対象として、児童虐待に関する法令、判例及び法学研究の動向を分析し、その意義を法学、社会福祉学、心理学等の観点から明らかにするものである。
     第5期の動向としてまず注目されるのは、2008年11月の児童福祉法改正によって、社会的養護に関する一連の改革(子育て支援事業の法律上の明記、里親制度改正、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の創設、施設内虐待関係規定の追加など)が行われたことである。これに関連した通知に加え、2007年児童虐待防止法改正や虐待死亡事例検証を受けて数多くの通知が発出されている。児童虐待に関連する裁判例にも注目するべきものが現れ、児童福祉法28条審判事件において「代理によるミュンヒハウゼン症候群」が疑われた事例や、不作為による共犯や虐待の事実認定が問題となった刑事裁判例、児童福祉施設入所措置決定の取消や施設内虐待が問題となった行政法関係の裁判例が公表された。
     各分野の研究動向については、2007年児童虐待防止法改正や2008年児童福祉法改正に関連する研究(自立援助ホームの歴史的研究、里親制度に関する研究など)の他に、刑事介入や警察との連携の強化に関する議論、「家族への子の権利」「親に教育される子供の権利」に焦点を当てる憲法学的研究、司法面接に関する研究、「虐待と非行」や「子どもの貧困と虐待」に関する研究、スクールソーシャルワーカーの活用に関する研究などで発展がみられる。さらに、社会的養護の当事者組織の活動の全国的な広がり、子育て支援事業の展開、自治体や厚生労働省による虐待死亡事例検証なども、今期の注目すべき動向である。
     報告書には、児童虐待関係通知の概要、児童虐待関連の判例及び文献リスト、児童福祉関連年表、司法関係統計等を資料として収録している。

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