児童虐待に関する海外の状況の把握と分析

2023年度研究

  • ニュージーランドにおける児童虐待防止の取り組みに関する調査研究

    研究代表者名 中垣 真通(子どもの虹情報研修センター)

    1. 目的
    ニュージーランド(以下、NZ)では、2017年、児童保護の政策策定と実施を担う子ども若者家族サービス局が社会開発・地域投資省から独立し、法定の児童保護対応まで至らない子どものニーズに対応する官民の機関横断プログラムと統合して子ども省(Oranga Tamariki)が設立された。子ども省は、「全ての子どもが、家族(whānau)、一族・サブ部族(hapū)、部族(iwi)によって安全に愛され、育てられ、コミュニティによって支えられている」をビジョンとし、より早い段階で介入し、家族がともに暮らすために継続的にサポートをして世代間の負の連鎖から脱却することを目指して、開設後4年をかけて児童保護のシステムと支援サービスを再構築した。
    本研究では、家族とコミュニティを支援の根幹に据え、再構築されたニュージーランドの児童虐待対応と子どもと家族へのサービスについて、法律と制度、主要な対応機関と対応プロセス、関連機関間の連携と情報共有の仕組み、児童保護の現状(統計)に関する情報を収集し、整理する。
    2. 研究の内容
    資生堂子ども財団が主催するニュージーランド児童福祉研修に同行し、家族とコミュニティを支援の根幹に据え、再構築されたNZの児童虐待対応と子どもと家族へのサービスについて、法律と制度、主要な対応機関と対応プロセス、関連機関間の連携と情報共有の仕組み、児童保護の現状(統計)に関する情報を収集し、整理を行った。
    なお資生堂子ども財団の研修は、2023年11月4日から11月11日の日程でウェリントン、ハミルトン、およびオークランドにて実施された。研修における視察先は、オランガタマリキ(子ども省)、子ども若者コミッション、インケア児童のアドボカシー機関、子ども家庭サービス提供機関、入所施設、児童保護研修機関、青少年犯罪予防・健全育成機関、中学校等12か所で、このほか里親とのセッションが行われた。
    これをもとに以下の項目で報告書をまとめた。
    はじめに
    第1章 ニュージーランドの児童家庭福祉の概要(国の概況、歴史、統計からみる児童福祉の現状などについて)
    第2章 ニュージーランドの社会的養護の概要(ソーシャルワークの流れ、国外ケア基準と監査、子どもの権利擁護などについて)
    おわりに

    報告書ダウンロード