フランス共和国French Republic

フランス共和国

地図:外務省 http://www.aquanotes.com/europe/france.html より

  フランス 日本
人口(児童人口) 6,781万(1,441万)(2022)
Institut national de la statistique et des études économiques(INSEE)
1億2,278万(1,806万)
(2021) 総務省統計局
首都と人口(児童人口) パリ 218万(2021)(35万)
(2019)INSEE
東京 1,327 万(183万)
(2022)東京都

目次

※1年間の始期日と終了日はそれぞれ1月1日と12月31日。

1.電話相談による通告の状況

119番相談電話サービスにおける相談対応件数、即時支援数、憂慮情報数の推移(2012~2020年)

図1-1.119番相談電話サービス*における相談対応件数、即時支援数、憂慮情報数の推移
(2012~2022年)

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.
*フランスでは、GIPED(危険な状態にある児童のための公益団体)が運営するSNATED(危険な状態にある児童のための全国電話相談受付サービス)の「もしもし、危険な状態にある児童119」と呼ばれる電話相談サービスがフランス全土からの通告・相談を受ける。このサービスでは、通告者と相談者から状況の聞き取りをして電話で助言、サポート、支援の案内、情報提供をする即時支援、危険な状態にある子どもの情報(憂慮情報)を各県に送る対応を行う。即時支援には、身元情報が十分でないために踏み込んだ対応を行えないケースも含む。憂慮情報は、「危険な状態にある」(そのおそれがある)と判断された子どもの情報であり、その子どもが居住する県に設置されているCRIP(憂慮情報収集室)へ報告書が送られ、そこで憂慮情報のアセスメントや司法機関への報告などがなされる。なお、子どもに関わる仕事に従事する者には通告義務がある。通告義務者による通告は直接各県のCRIPになされることが多い。

表1-1.電話相談への通告者*の属性(2022年)

相談者の 属性 即時支援 憂慮情報
件数 件数 件数
母親 3,213 19.5% 2,273 10.1% 5,486 14.1%
父親 2,199 13.3% 2,149 9.5% 4,348 11.1%
祖父母 821 5.0% 795 3.5% 1,616 4.1%
義父母 311 1.9% 384 1.7% 695 1.8%
きょうだい 278 1.7% 456 2.0% 734 1.9%
近親者 小計 6,822 41.4% 6,057 26.9% 12,879 33.0%
近親者以外の親族 822 5.0% 1,278 5.7% 2,100 5.4%
未成年者本人 2,532 15.4% 2 734 12.1% 5 266 13.5%
その他の未成年者 773 4.7% 919 4.1% 1 692 4.3%
未成年者 小計 3,305 20.1% 3,653 16.2% 6,958 17.8%
若年成人本人 436 2.6% 153 0.7% 589 1.5%
近隣住民 1,023 6.2% 2,945 13.1% 3,968 10.2%
周囲の人々 1,560 9.5% 2,260 10.0% 3,820 9.8%
専門家 1,270 7.7% 1,814 8.0% 3,084 7.9%
成人本人 182 1.1% 9 0.0% 191 0.5%
その他(不明) 1,068 6.5% 1,904 8.4% 2,972 7.6%
匿名者 766 4.6% 3,387 15.0% 4,153 10.6%
合計 16,432 100% 22,182 100.0% 38,614 100.0%

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.
*電話相談員によって即時支援か憂慮情報としての対応がなされた電話の発信者

図1-1.電話相談で通告された危険(2022年)

図1-2.電話相談で通告された危険(2022年)

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.

図1-3. 電話相談で通告された児童の親の行動と暮らしぶりに関する情報

図1-3.電話相談で通告された児童の親の行動と暮らしぶりに関する情報(2022年)

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.

図1-2. 電話相談で通告された児童の行動、暮らしぶり、就学状況

図1-4.電話相談で通告された児童の社会、経済的背景(2022年)

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.

図1-5.各県のCRIPに移送された憂慮情報ケースに対して実施された行政サービス

図1-5.各県のCRIPに移送された憂慮情報ケースに対して実施された行政サービス(2022年)

出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.
各県に移送された憂慮情報の41%について児童保護関連の行政サービスが実施されている。
1人の子どもが複数のサービスを受けていることもある。

図1-6.各県のCRIPに移送された憂慮情報に対して下された司法による決定と措置

図1-6.各県のCRIPに移送された憂慮情報に対して下された司法による決定と措置(2022年)

各県に移送された憂慮情報の59%について司法による措置や措置がなされている。
出典:GIP France Enfance Protégée L’État.(2023). Étude statistique de l’activité du 119 Année 2022.

2.児童保護対象児童数

図2-1. 児童保護の対象児童・若年成年者の数の推移(2010~2020年)

図2-1.児童保護の対象児童・若年成年者の数の推移(2011~2021年)

マイヨット島を除くフランス全土
出典: ONPE.(2023).Chiffres clés en protection de l’enfance au 31 décembre 2021.

3.家庭外保護措置児童

図3-1. 家庭外保護措置対象の児童・若年成年者数の推移(1996~2018年)(12⽉31⽇時点)

図3-1.家庭外保護措置対象の児童・若年成年者数の推移(1996~2020年)(12⽉31⽇現在)

マイヨット島を除くフランス全土
出典:DREES.(2022). Lʼaide et lʼaction sociales en France, édition 2022, Les mineurs et les jeunes majeurs accueillis à l’aide sociale à l’enfance.

4.殺人事件の未成年被害者数の推移

フランスには国による死亡事例の検証統計がない。そのためONPE(全国児童保護観測機関)が警察と憲兵隊の活動データを収集し、故意の殺人及び過失致死傷害により死亡した未成年者数を推計している。図4-1の数値を出すにあたり、下記の犯罪データが調査された。
15歳未満の殺人、故意の殺人、テロ・暗殺、尊属または親権者の殺意なき暴力による15歳未満の死亡、習慣的な暴力による15歳未満の死亡、15歳未満の毒殺、ケアや食事を与えられないことによる15歳未満の死亡、武器の使用による死亡、有害物質を与えられたことによる15歳未満の死亡、遺棄されたことによる15歳未満の死亡、遺棄されたことによる自らを保護できない者の死亡など。

図4-1.警察と憲兵によって記録された未成年殺人事件の未成年被害者数の推移(2016~2020年)

図4-1.警察と憲兵によって記録された未成年殺人事件の未成年被害者数の推移(2016~2021年)

SSMSI(国内安全統計局)の犯罪被害者データベース(2016~2021年)より 出典: ONPE. (2023). Chiffres clés en protection de l’enfance au 31 décembre 2021.